世界自然遺産に登録された、千年の時を刻む屋久杉の森
屋久島は鹿児島県の南海上に浮かぶ亜熱帯の島で、1993年に日本初の世界自然遺産に登録されました。島の90%が森林に覆われ、特に標高500メートル以上の山地には独特の生態系が形成されています。
「月に35日雨が降る」と言われるほど降雨量が多く、その豊富な水分が苔むす神秘的な森林風景を生み出しています。千年を超える屋久杉の巨木と、緑あふれる苔の絨毯が織りなす風景は、訪れる人々を別世界へと誘います。
屋久島の森林は、宮崎駿監督のアニメ「もののけ姫」の舞台のモデルにもなったことで知られています。苔に覆われた巨木や清流が流れる風景は、まさに「もののけ姫の森」そのものです。
樹齢千年を超える屋久杉の巨木が林立する神秘の森
多雨が生み出す緑豊かな苔に覆われた幻想的な風景
山肌を流れる透明度の高い清流と数多くの滝
突然現れる霧が森をより一層神秘的に見せる
推定樹齢2,000年から7,200年と言われる屋久島を代表する巨木。往復8〜10時間のトレッキングコースの終点にあり、その威容は訪れる者すべてを圧倒します。
苔むした岩や巨木、清流が織りなす神秘的な渓谷。もののけ姫の森のモデルとして知られ、比較的アクセスしやすいコースで美しい風景を楽しめます。
巨大な切り株の内部から空を見上げることができるスポット。雨の日には切り株内部から見上げる雨滴が神秘的で、人気の写真スポットとなっています。
屋久島随一の規模を誇る滝で、落差88メートル。日本の滝百選にも選ばれており、滝壺まで近づいてその迫力を体感できます。
屋久島は、温暖な黒潮の影響を受けた海岸部から、九州最高峰の宮之浦岳（1,936m）まで、急峻な地形と多様な気候帯が特徴です。この環境が、杉の巨木からコケ類まで、豊かな生物多様性を育んでいます。
特に屋久杉は、養分の少ない花崗岩の土壌と多雨多湿な気候の中で、ゆっくりと成長することで緻密な年輪を形成し、千年以上の寿命を持つ独特の生態を発達させました。この特異な生態系は、地球の生物進化の過程を理解する上で貴重な証拠となっています。
屋久島を訪れることは、単なる自然体験ではなく、地球の歴史と生命の神秘に触れる旅となります。この貴重な自然遺産を未来へ引き継ぐため、私たち一人ひとりがエコツーリズムの精神を持って訪問することが重要です。